ナレッジマネジメント(知識経営とほぼ同義です)とは、個々人の知識や企業の知識財産を組織的に管理・共有することで業務効率を高めたり、各知識を組み合わせてその価値を高めたりするための「仕組み」を構築すること、また、そのためにITツールや共有の場などの環境整備をしていくことをいいます。従来の経営学では、競合他社との関係性など外部環境に対応するための戦略立案に重きを置く考え方が研究されてきていましたが、ナレッジマネジメントにおいては、企業が経営を行う中で培ってきたり個々人が持ち寄ってきた有形・無形の知識財産という内部資源に着目し、競争力を高めることを志向しています。
どの企業においても、過去の成功例が引き継がれず人材育成へ生かせていない、情報が共有されないために顧客からの要望に素早く対応することができない、会議を行なっても新たなアイディアが出てこないなど、知識に関わる課題は多いのではないでしょうか。そういった知識に関わる問題を組織的に解決し、生産性や競争力を高めるための仕組み作りを行なっていく事が経営者には求められています。
ナレッジマネジメントにおいては、知識財産を質・量ともに向上させていくための枠組みとして、SECI(セキ)モデルというフレームワークが提唱されています。SECI(セキ)モデルというのは、「共同化」(Socialization)、「表出化」(Externalization)、「連結化」(Combination)、「内面化」(Internalization)という4つのプロセスの頭文字をとって名付けられており、各プロセスをS→E→C→I→S・・・というように何度も繰り返すことで、企業内の知識財産の価値を高めることができると考えられています。
「ナレッジマネジメント」や「SECIモデル」というとあまり聞きなれない言葉かもしれませんが、関連書籍やインターネットページなどが世の中にはたくさんありますので、興味を持っていただけた方は是非お手に取ってみて、さらにはその考え方や取り組みを取り入れてみて企業の生産性向上のヒントにしてみてください。