作成日:2024/12/20
扶養控除などの変遷
令和6年衆議院選挙の結果、国民民主党が主張する所得控除引き上げがクローズアップされていたので、現在の扶養控除について過去の変遷を調べてみました。
少額所得者に幼年者及び老年者又は不具疾病者がいる場合に納税者の負担力に影響があるという配慮により、扶養控除は大正9年に創設されました。現在の扶養控除、老年者控除、障害者控除の性格を有していたようです。
昭和15年には少額所得者を対象としていた扶養控除の所得要件が廃止され、扶養家族の範囲に妻が加えられています。(当時は税額控除とされていました)
昭和25年の税制改正で基礎控除額が引き上げられ、扶養控除は税額控除から所得控除に改正され、年齢制限が撤廃され所得制限のみとなりました。
昭和30年代には夫婦共稼ぎ世帯と夫婦一方が所得を得ている世帯との税負担のバランスを考慮して扶養控除から配偶者控除が独立し基礎控除と同額の控除が創設されています。
昭和62年主としてサラリーマン世帯の税負担の調整を図る趣旨から配偶者特別控除が創設されました。
平成元年には年齢16歳以上23歳未満の者を特定扶養親族として割増控除、平成11年には年齢16歳未満の者を年少扶養親族として10万円加算する年少扶養控除が創設されましたが翌年には廃止されました。
このように現在に至るまでに時代を反映した改正が行われており、今般の経済状況などを考慮して所得控除の改正が行われることを期待します。